大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和31年(あ)3845号 決定 1959年2月13日

主文

本件各上告を棄却する。

理由

弁護人小池金市の上告趣意第一点について。

所論は単なる法令違反、事実誤認の主張であって刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(本件私設保税倉庫に蔵置中の外国商品といえども絶対に課税の対象とならないものでないことは原判示のとおりであり、これを本件のように占領軍要員以外の者に販売する目的で庫出するばあいには、旧保税倉庫法六条により旧関税法の通関に関する規定が適用されるものと解すべきである。従って原判決が本件庫出について関税支払の手続が定められていない旨判示した点はあやまりであるとしても、本件関税逋脱罪の成立を肯認する原判決の結論に違法があるとすることはできない。)

同第二点、第三点はいずれも事実誤認の主張であって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例